症例一覧

肌荒れ、慢性疲労、首肩こり

40代 女性 事務職

症状:毎日9~10時頃まで残業。PCの仕事のため慢性的な首肩こりや疲労に悩む。ストレスで肌が荒れ吹き出物や湿疹がひどい。この2~3日は便秘もある。休みの日は1日中寝ている日もあるがが疲れが取れない。

 

元々体が弱いタイプなのに仕事でかなり無理をしており、体はとても疲労している。気力で持たせているがいつ切れてもおかしくない。交感神経が高ぶった状態のため、睡眠が浅く疲労が取れにくく便秘にもなっている。(東洋医学では肝実にあたる)

虚体だが症状と脈は実であるため弱めの瀉法で邪実を取る治療をすると脈に幅と推動力が出た。

顔のむくみやくすみがあるので顔頭周りのリンパの流れや歪みを調整した。

 

治療後に1時間半ほど昼寝をしたが、体が温かくなり自分でも驚くほどぐっすりと深く眠れ体が軽くなったと驚かれていた。顔のくすみがとれ、血色が良くなり老けた印象が改善。また翌日には便秘が解消された。

 

遠方に住んでいるため継続治療できないことを残念がっておられた。

 

肌荒れや首肩こりは職場環境とそのストレスのためまた出るので、食事内容やスマホをみる時間を減らすなど日常生活を見直し、できるだけ改善できるようお願いしました。

 

2017年10月19日

冷えのぼせ

50代女性

症状:1ヶ月ほど前から今まで感じたことのない肩こりや頭痛、頭が熱い感じがするようになった。

 

体全体としては冷えているのですが、頭に体の熱が集まった状態で首から上が触るととても熱い状態。

東洋医学用語で「気逆」(気が上に昇ったまま降りてこれなくなっており、気の循環がうまくいかないこと)になっているので「気を降ろす」ように治療していきます。

 

初回の治療後はに頭痛が大分軽くなり、冷えていた足やお腹も温まったのを実感していただけました。症状は1ヶ月ほど前から出たのですが、半年ほど前から体調が少しずつ悪くなっていたそうなので改善に少し時間がかかることをお伝えしました。

 

通院の頻度もアドバイス通り来て頂けたので経過が良く、治療5回目くらいから症状があまり出なくなりました。

 

時々症状が出る日もあるとのことですが、早めのご来院を心がけて下さっているので治りが早く元気で快適に過ごせる日が多く喜んで頂けています。

 

2017年08月07日

五十肩、首こり

50代 女性 事務職

症状:約1年、腕が上げにくく着替える時などに痛みを感じていたが放置していたところ、ある日肩に激痛が走り整形外科でレントゲンを撮ると肩の関節に石灰が溜まっていた。注射で石灰を溶かしてもらって激痛は収まったが、腕を上げられないのは変わらない。。

 

診断:整形外科で診断してもらっているので、骨や関節に関して心配はないが、長い間腕を動かさなかったことにより腕、肩、肩甲骨などの筋肉が固くなり可動域が下がっている。

鍼灸で現状の痛みを軽くし、筋肉に柔軟性を持たせた後に自力でストレッチをすることを指導しました。

 

施術:筋肉が非常に硬くなっており、このような場合は刺す鍼(毫鍼)が有効なため肩や首、肩甲骨を中心に刺す鍼を施術します。この方は刺す鍼の経験がおありで、刺すことに全く抵抗がない方でしたので、バンバン刺させていただきました。

とはいえ、強い刺激は却って鍼ごわりを起こしますので、丁寧に確認して施術しております。

 

治療後は腕は来た時よりも上がりやすくなったが、まだ痛みが残るとのこと。

症状が重かったこと、痛めた期間が長いため、1~2回の鍼灸で完治はしないので3か月を目途に週1度は鍼灸治療した方が良いことなどをご説明いたしました。

 

とにかく治る兆しがあり、希望を感じて嬉しいと明るい顔でお帰りになりました。

 

※五十肩(四十肩)の方はまずは整形外科でレントゲン撮影をおすすめします。関節に石灰が付着している場合はどれだけ鍼灸をしても良くならないので、石灰を溶かしてから鍼灸院に来てくださいね。

 

2023年09月13日

不妊治療2

30代女性
不妊治療期間:1年目
妊娠陽性反応:鍼灸通院2ヶ月目

症状:生理前~生理中や排卵期にひどい頭痛がし、いつも鎮痛剤を飲んでいる。

子供が欲しいが排卵期に頭痛がし、とてもタイミングを取る状態ではない。
クリニックでは簡単な検査のみ受診、子宮筋腫はあるが特に問題ないと言われた。

 

年齢的に早く子供が欲しい。夫は自然妊娠を希望しており、まずはタイミング法からやっているが赤ちゃんができない。

 

診断:割と体力があり、基本的には元気なタイプ。性格的に我慢してしまい溜めこんでしまう為、気滞になり肝の疎泄が低下する。⇒ホルモンバランスや自律神経が失調し頭痛につながっている。

 

治療:頭痛の原因となる気滞の解消を促す治療を行う。またタイミングをとる時期のアドバイスや現代医学的な不妊治療の内容についてきちんとした知識を得て頂いた。

 

指導どおり通って頂いたおかげで、治療を始めた月の生理前に頭痛の前兆はあったものの頭痛は起こらず喜んで頂いた。

その後も軽い頭痛の時はあったが、大幅に改善しタイミングも取れるようになり、鍼灸治療を始めて2ヶ月も経たないうちに妊娠された。

 

この方は特に婦人科系の疾患がなく、基本的には元気なタイプだったためとても早い治療結果に結びつきました。

中々このように早く良い報告を聞けることはありませんが、最速と言えるスピードで良い結果に繋がりとても嬉しい臨床となりました。


2018年02月08日

不妊治療1

 

不妊治療を経て赤ちゃんを授かりました。

安定期に入った患者さまの了解を得て簡単にご紹介させて頂きます。



 

30代女性
不妊治療期間:4年目
妊娠陽性反応:鍼灸通院5ヶ月目


子宮腺筋症、抗リン脂質血症など自然妊娠が難しいと高度不妊クリニックで診断され、何度か体外受精にトライされていましたが、残念ながら着床には至らず。漢方薬も1年ほど飲んでいましたが、結果につながらず「鍼灸でも試してみよう」と期待半分、あきらめ半分の思いで当院へ。


ホルモン剤の投与がお体に負担だったようで当初は脈診も肝経、大腸経、肺経と主治穴が来院の度にコロコロ変化し、「これは長期戦になりそうだ」と覚悟したものです。


その後しばらくクリニックでの治療をお休みし、ホルモン投与も無くなった所、お体も落ち着いてきて良い状態に。「これならあと3ヶ月後くらいにはまた体外受精にトライしてみたら良いかな」と思った頃、近々体外受精をしたいとのお話が。

 

まだ少し時期が早いのと、お仕事が繁忙期だったことからもう少し後の方が良いとお話しましたがご本人の事情もありトライ。結果はめでたく陽性!!

 


受精卵移植後、陽性判定の前から脈診にもしっかりと赤ちゃんがいる方の「滑脈」の反応があり大丈夫と思っていましたが本当に良かったです。

 


「今までの体外受精から変えたことといえば鍼灸くらいだから、鍼灸が良かったのかなと思います」とおっしゃっていただけました。


現代生殖医療の体外受精やご本人の努力がもちろん大きいと思いますが、鍼灸も助けになってくれたと思います。

 


今回の患者さまは鍼灸治療5ヶ月目で嬉しい報告をお聞きすることができましたが、かなり早く結果に結びついた例です。

 


妊娠後はつわりのケアでご通院いただいています。お会いする度に大きくなるお腹に本当に嬉しくなります。


2017年06月29日

パニック発作、目の手術後の痛み

40代女性

症状:2ヶ月ほど前に目の手術をした後、今までずっとひどい目の痛みや頭痛、肩こり、眩しさが治らない。病院では検査結果に問題はないと言われており、目薬を出されている。

 

パニック発作はかれこれ8~9年程あり、2年くらい他の鍼灸に通院し、1番ひどい時よりは落ち着いたが、今も発作が毎日のようにおきる。「自分のパニックはこれ以上良くならない」と半ばあきらめている。

 

 

 

治療:

とにかくこの目の痛みと頭痛が良くならないことには何も出来ないので、何とかしたいとのこと。手術後の炎症の名残はあるものの、鍼灸治療としてはご本人の気・血・津液の改善が1番重要と診ました。


目の痛みとパニックは一見関係ないようにみえますが、実は体に悪い作用を及ぼす根本は同じ所にあります。

 

この方の場合は体に熱が溜まりすぎて上昇し、首から上に滞って痛みや思考に影響を与えていましたので、頭の熱を取り去るようにツボや鍼の手技を選びます。

 

お菓子やジュースなども摂りすぎていたので、食生活を改善してもらい、通院もこまめにしてもらったところ治療3~4回で頭痛が1/10程度に改善されたように思うと言われた。

時々痛みのきつい時もあるが、徐々に目の痛みや頭痛、肩こりは改善されていきました。

また、パニックは治療開始から約3ヶ月でほとんど出なくなり、5カ月目にはバスでの日帰り旅行に行けるまでになり、「自分でも長時間バスに乗れるなんて思わなかった」と喜んでおられました。

 

今もストレスが多い時や体力的に無理をした時に体調が悪くなる時もありますが、早めに治療に来て頂き体の回復や今以上の症状の改善に取り組まれています。

 

 

 

 

2017年08月07日

コロナ後遺症に著効がみられた例

60代 女性 事務職

症状:2024年夏 初めてコロナに感染した。コロナの症状自体は発熱、咽頭通、倦怠感、筋肉・関節の痛みなどで比較的軽症だったが、感染後1週間経過しても全身の痛み、倦怠感、ふらつき、頭痛、食欲不振などで家の中を歩くのも困難なほどしんどい。

 

東洋医学的診断:脈状 弦脈 実証  当院が施術するタイミングでコロナ感染後約10日であった。ウイルスは他者に感染させる状態ではないが、まだ体内ではいわゆる「邪正抗争」が激しくおきており、現代医学風に言えばコロナウイルスとNK細胞や白血球が未だ戦っているようである。

 

 

施術:経穴は胆経 足臨泣で脈状が改善するので、足臨泣に鍉鍼で瀉法。

主に頭頚部に邪の停滞があり、気の流れの阻害がみられたため、反応点に鍉鍼、または毫鍼にて瀉法。

その他腹部、背部は虚の状態が多く診られたので灸、鍉鍼にて補法。

 

全身調整を行い、治療を終了。

 

鍼灸治療後、どんな様子かを聴いたところ、だいぶ楽になったとのこと。

同日に家の近所の内科まで歩いて行くことができたと言われた。家の中を歩くのもやっとのことだったので、近所とは言え外出できたことに驚いた。

次の日も鍼灸をさせていただいたのだが、前日から見違えるほど元気そうになっておられた。この日も前日と同じような診立てであったため、ほぼ前日と同じ流れで鍼灸を施す。

 

その後はほぼ治られたが、仕事に復帰する前にもう一度鍼灸施術を行った。

 

 

所見

施術を行った私自身、このように少ない治療回数で劇的にコロナ後遺症が改善したことに驚いた。おそらく後遺症が発症してから施術に入るまでの期間が早かったことが良かったと思う。例えばコロナ後遺症から数か月が経過した場合などはもっと期間と鍼灸施術の回数は必要になるであろう。

 

いずれにせよ、世間ではコロナ後遺症に苦しみ、どの病院にかかれば良いか困っている方も多いと報道で見聞きしている。

コロナを他者に感染させるリスクの高い発症後7日ほどは外出を控えて欲しいが、コロナ後遺症とみられる症状がある時はなるべく早く治療を開始し、毎日、あるいは1日おきなど通院期間を詰めて鍼灸治療すると良いでしょう。

 

 

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鍼灸師の方へ

今回は胆経 足臨泣の選穴でしたが、一例にすぎず「コロナ後遺症は足臨泣」というわけではありせんのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

2024年10月07日