クーラー病を予防するために、または症状を改善するために出来ることは何でしょうか。
職場の環境は改善できることに限りがありますので、職場以外で出来るだけのことをしていきましょう。
(1)「3つの首」を温めよう
首、手首、足首を冷やさないようにしましょう。夏は素足にサンダルなど軽装になりますが「3つの首」を冷やすと体全体が冷えやすくなります。
・外出時は羽織物を持参し、首から肩甲骨まわりを覆う。
・靴下は足首を隠すふくらはぎまでの丈のあるものを履く。レッグウォーマーを重ねると更に良いです。
・手首や手先が冷たく感じる方はアームウォーマーや日焼け予防の手袋で手首を覆いましょう。
更に詳しく: なぜ「首」は冷えを招くか⇒
首、手首、足首ともに非常に太い重要な動脈が走っていますが、筋肉が薄く血管周りを守ってくれないため、外気からの冷えをまともにキャッチしてしまいます。
血管は全身を巡ります。大きな血管から毛細血管まで血は運ばれていきますが、細い血管ほど血流量が少なく、温度も低くなります。大動脈が冷えれば、当然細い血管も冷えてしまいます。
首を冷やす⇒血管を冷やす⇒全身を冷やす
ということにつながります。
(2)「冷たい」飲食物を食べない
冷やし中華、冷やしうどん、ざるそば、そうめんや冷蔵庫から出したばかりのお茶や水、ビール、ゼリーやアイスなど、冷たいものを食べると内臓から体を冷やし、胃腸の弱りも招きます。
最低でも常温以上、夏でも温かい食べ物を食べましょう。
更に詳しく: 冷飮食で胃腸を弱らせるって? ⇒
ヒトの平熱体温は36.5℃ですが、内臓体温はもう少し高く37~8℃です。
これに対し、冷蔵庫は3~6℃です。
冷蔵庫から出した冷たいものを食べた時、胃腸は30度も冷たいものを体温と同じ温度まで上げ、消化して運ばなければなりません。
アイスクリームなど冷凍室のものは-20℃ほどです。自身より50度以上も温度差のあるものが入った胃のことを想像すると、かわいそうですね。
胃だけでは飲食物の温度を上げられず、また消化能力も落ちますので冷たい未消化のものが腸に運ばれてしまいます。
このようなことを日常的に繰り返すと、胃腸は弱り、消化吸収能力が落ちてしまい、食欲不振、下痢、腹痛、疲労感といった身体症状を感じるようになります。
(3)腹巻きをしましょう
最も気をつけたいのは内臓の冷えです。
薄手のもので良いので絹や綿素材の腹巻きをしましょう。日中難しい方は寝る時だけでも必ずするようにして下さい。腰痛や生理痛の改善にもなります。
(4)お風呂は湯船に浸かる
シャワーで済ませず、しっかり湯船につかり体を温めましょう。
クーラー病なのにのぼせるからお風呂に入りたくない、という方はかなり重症。まずは足湯からでもしてみましょう。
(5)エアコン、扇風機の風を体に当てて冷やさない
エアコンの設定温度は28℃を目安にしましょう。夏は汗をかくのが正しい過ごし方です。少し汗ばむくらいの温度設定にして下さい。
寝る時に暑くて眠れない場合は、寝る前に寝室のエアコンの設定温度は低くして寝具や部屋全体を冷やしておき、寝る時は28℃以上にして寝るようにしましょう。
エアコンの控えすぎによる熱中症は注意して下さいね。
(6)軽い運動をする
ウォーキングやストレッチ、ヨガなどで体を動かし、血流量をUPしましょう。
アクティブな方はランニングなど、激しく体を動かす運動でもOKです。
できることから体調管理に気をつけていきたいですね。