コロナ後遺症に著効がみられた例

60代 女性 事務職

症状:2024年夏 初めてコロナに感染した。コロナの症状自体は発熱、咽頭通、倦怠感、筋肉・関節の痛みなどで比較的軽症だったが、感染後1週間経過しても全身の痛み、倦怠感、ふらつき、頭痛、食欲不振などで家の中を歩くのも困難なほどしんどい。

 

東洋医学的診断:脈状 弦脈 実証  当院が施術するタイミングでコロナ感染後約10日であった。ウイルスは他者に感染させる状態ではないが、まだ体内ではいわゆる「邪正抗争」が激しくおきており、現代医学風に言えばコロナウイルスとNK細胞や白血球が未だ戦っているようである。

 

 

施術:経穴は胆経 足臨泣で脈状が改善するので、足臨泣に鍉鍼で瀉法。

主に頭頚部に邪の停滞があり、気の流れの阻害がみられたため、反応点に鍉鍼、または毫鍼にて瀉法。

その他腹部、背部は虚の状態が多く診られたので灸、鍉鍼にて補法。

 

全身調整を行い、治療を終了。

 

鍼灸治療後、どんな様子かを聴いたところ、だいぶ楽になったとのこと。

同日に家の近所の内科まで歩いて行くことができたと言われた。家の中を歩くのもやっとのことだったので、近所とは言え外出できたことに驚いた。

次の日も鍼灸をさせていただいたのだが、前日から見違えるほど元気そうになっておられた。この日も前日と同じような診立てであったため、ほぼ前日と同じ流れで鍼灸を施す。

 

その後はほぼ治られたが、仕事に復帰する前にもう一度鍼灸施術を行った。

 

 

所見

施術を行った私自身、このように少ない治療回数で劇的にコロナ後遺症が改善したことに驚いた。おそらく後遺症が発症してから施術に入るまでの期間が早かったことが良かったと思う。例えばコロナ後遺症から数か月が経過した場合などはもっと期間と鍼灸施術の回数は必要になるであろう。

 

いずれにせよ、世間ではコロナ後遺症に苦しみ、どの病院にかかれば良いか困っている方も多いと報道で見聞きしている。

コロナを他者に感染させるリスクの高い発症後7日ほどは外出を控えて欲しいが、コロナ後遺症とみられる症状がある時はなるべく早く治療を開始し、毎日、あるいは1日おきなど通院期間を詰めて鍼灸治療すると良いでしょう。

 

 

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鍼灸師の方へ

今回は胆経 足臨泣の選穴でしたが、一例にすぎず「コロナ後遺症は足臨泣」というわけではありせんのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

2024年10月07日